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僕の伴侶は蜷局を巻く
第12章 12
続いてハーリーは信頼のあるカウンセラーを見つけ出し、近いうちにカウンセリングを受けることになった。けっして楽な道のりではないかもしれない。でもこれで父も問題を克服できるだろう、とミハルは確信した。

ハーリーは見るからに疲れていた。愛する夫は家族のために戦争で戦い、ギャンブルをして資産を増やそうした、と今もそう話す。本当はタバコのためであることが明白であるのに。ミハルは一刻も早くユウキに会いたいと思う一方で、両親に必要とされていることを再認識した。明日まで待ったほうがいい。ユウキの気持ちもおさまって、話しを聞いてくれるかもしれない。彼女は自分に言い聞かせた。

翌朝は睡眠不足で頭痛がしたが、ミハルは早々に家を出た。ユウキのスケジュールなどわからない。
だが、官舎はもぬけの殻で、きれいに掃除がされていた。貝殻はそのままテーブルを転がっている。そのまま官舎から別荘に電話をしてみると、省秘とのことだった。
「キキ、どこへ行ったか教えて。お願いよ」ミハルはすがった。「今の私に頼れるのはあなただけなの」

キキの声がやわらぐ。受話器の向こうから、同情がひしひしと感じる。「奥様…私は何も言えないんです。私は旦那様の命令を…一寸でも裏切れば、戦犯扱いなんです。わかってください……」キキは電話を切ろうとした瞬間、声が聞こえた。「キキ…私はあなたを使い魔だなんて思っていないわっ!家族よっ。国境なんて関係ないでしょっ。あなたは戦犯なんかじゃない…生まれ育った大地も同じよ」ここで電話を切られれば、一生後悔する。もう一度あのときに戻って、やり直すことができたら。様々な思いを浮かばせ貝殻を握りしめた。

【省秘】
陸軍省としての秘密。
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