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僕の伴侶は蜷局を巻く
第12章 12
「……どうかわかってください。何も言えません。旦那様のことは何ひとつ省秘としてお答えできないんです。ですが……道中、お気をつけていらしてください…奥様」ここで電話が切れた。受話器は通じていないが、キキの思いが今でも通信線を介して伝わってくる。
午後早くに、ミハルは不安な思いで別荘の敷地内に馬車を止めた。急いで来たため、パラディンの疲労を考えると水を飲ませないといけないが、キキが走ってミハルのもとへやってきた。すぐに二人は抱擁し、キキはパラディンの手綱を掴む。
震えながら玄関を開ける決心を決め、玄関を開けようとすると突然扉が開いた。
ユウキだった。彼は開いた戸口に、あの夜と同様、恐ろしげな雰囲気を漂わせて、威圧するように立っている。ただし、あのときは彼のほうが外にいて、なんとか中に入ろうとしていた。
すっかり立場が逆転した。
「二度と会いたくもない、カーストは正しい…そう、おっしゃりましたよね?」
ミハルは喉をゴクリとさせた。「話があるの」
「僕はシュードラという奴隷なんです。クシャトリアの王族のあなた方が嫌いだ、視界から消えてもらえませんか?」
ミハルはこっそり息を吸い、道中ずっと練習してきたセリフを口にしようとした。けれど、頭に血が上る中、用意した言葉は舌に貼りついたまま出てきてくれない…。
午後早くに、ミハルは不安な思いで別荘の敷地内に馬車を止めた。急いで来たため、パラディンの疲労を考えると水を飲ませないといけないが、キキが走ってミハルのもとへやってきた。すぐに二人は抱擁し、キキはパラディンの手綱を掴む。
震えながら玄関を開ける決心を決め、玄関を開けようとすると突然扉が開いた。
ユウキだった。彼は開いた戸口に、あの夜と同様、恐ろしげな雰囲気を漂わせて、威圧するように立っている。ただし、あのときは彼のほうが外にいて、なんとか中に入ろうとしていた。
すっかり立場が逆転した。
「二度と会いたくもない、カーストは正しい…そう、おっしゃりましたよね?」
ミハルは喉をゴクリとさせた。「話があるの」
「僕はシュードラという奴隷なんです。クシャトリアの王族のあなた方が嫌いだ、視界から消えてもらえませんか?」
ミハルはこっそり息を吸い、道中ずっと練習してきたセリフを口にしようとした。けれど、頭に血が上る中、用意した言葉は舌に貼りついたまま出てきてくれない…。