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僕の伴侶は蜷局を巻く
第13章 終章13
「子供がいることに気づいていなかったの?」
「ああ。君を追いかけたのさ」

ミハルの目からとめどめなくクリスタルが流れ落ちた。
「なんでぇ…?」

「君が出ていく姿をずっと眺めていた。視界から姿が見えなくなったとたん……人生最大の過ちを犯したと悟ったよ。そして今度こそ…君は戻ってこない、そう確信した。君が港町の方向に向かったことと馬車であったことで追いつけると思った…君が馬車なのが運命だと思った。ここで追わなければ一生後悔すると思ったんだ」

私は握り返した。彼の手を。「私は…アナタと歩いたあの浜が懐かしくて…」

「君を手放すなんて、愚かなことをした…。でも、伝えたいことがあるんだ」
「何を伝えるの?」私は彼にささやいた。ほんのわずかに意地悪に優勢的に。ほとんどの雌生命体が味わえる究極のドキドキ感。

彼はしっかりと私の目を見つめた。痲眼の瞳に臆することなく。「君が海に飛び込んだときと同じように心臓がまた痛むが…大事なことを言い忘れていた…言うよ」そこには期待と不安がはっきりと映った。そして、手を握ったまま椅子から下りて片膝をついた。

「愛しているよ、ミハル。僕と結婚してくれないか?」

彼と視線が平行線同じ位置になった。私は上体を起こし、彼を見下ろす体制になった。「ああ…ユウキ…でも、もう無理よ」


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