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僕の伴侶は蜷局を巻く
第7章 7
「まさかハネムーンが退屈だと言うのか?」
「違うわよ」ミハルは答え、前回の外出で買った小説にしおりを挟んだ。「とてもくつろいでいるわ。ただ、ここにはどれくらいいるのかなと思って」

答えを待って、彼女はユウキを見つめた。そしてすぐに後悔した。目をそらそうにも、広い胸板と引き締まる筋肉が視線をとらえて放さない。
「飽きたのか?」

ユウキに聞かれ、ミハルは視線を上げた。
「読書より、身体をうごかしたほうがいいのかもしれないわ」

ユウキの口元に、抜け目ない笑みが浮かんだ。「それでもかまわないよ。おいで」
「わ、私が言おうとしたのは…」
「ふふっ、わかっているよ」彼は請け合い、流れるような優雅な動きで、寝椅子から起き上がった。「今日は午後から雨の予報だ。今のうちに海岸でも散歩しよう」



天気まで利用した…。ビキニの上にTシャツを重ね、パレオを巻きながらミハルは思った。こんなよそよそしい関係を続ける一方で、そんなにくつろいだ様子を見せつけなくても。愛を交わしたければ私から頼めと言われたのは三日前。果てしなく長い三晩だった。その間に家から荷物も持ってきたのだ。愛馬も連れて来て自分で町まで馬車で買い物にも出かけることができて拠点になりつつあったこの場所に不安を覚えたうえでの言葉だった。
ユウキが寝室に来るのは、いつも私が眠った後で、彼は私にかまおうとも近づこうともしなかった。


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