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僕の伴侶は蜷局を巻く
第7章 7
もちろん、ユウキがこちらを見ていることはいくらでもあった。一日に何度も飢えたまなざしを向けられ、私の身体はざわめきたった。彼の体のあからさまな反応を見せつけられると、さらに落ち着かない気分になった。そうやって彼をうかがっているところを見つかり、見つめ返された。

彼を見ないと誓ったわけじゃない。

今日で三日、持ちこたえた。私の勝ちだ。

ミハルはため息をついて、勝っているのに冴えない気分に気づいた。

十五分ほど待っても、ユウキは現れなかった。ミハルは、居間で掃除をしていた家政婦のキキに尋ねた。キキはキキーモラと呼ばれるロシアの妖精である。一見すると容姿は痩せた人狼だが、翼のない鳥人にも見える。ユウキはあえて共産圏の亜種を雇っていたのだ。
「キキ、ユウキを見かけなかったかしら。散歩に出かける予定なのよ」

家政婦は頭を上げ、にっこり笑った。「お電話がございまして、書斎にてお受けになっています」
「そうなの…じゃあ、ここで待つわ」ミハルはコーヒーテーブルに積み上げられた雑誌の中から一冊を選び、蜷局を巻いた。
「旦那様は働き過ぎなんです。どうぞ散歩に連れ出してくださいな」


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