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僕の伴侶は蜷局を巻く
第1章 Tutorial~プロローグ
ミハルは喉をごくりとさせた。「お父さんも不本意なのね?」
「お前の協力が必要なんだ」娘の質問には答えずに、バサラは言葉を続けた。「無茶な頼みだとわかっている」
「大丈夫よ」ミハルは請け負う様に手を握り返したが、不吉な予感を察して作り笑いもできなかった。「どうすればいいの?」
不意に黒い影が動き、ミハルはそちらに注意を奪われた。正体を察するや、攻撃的な警戒態勢を取ろうという衝動が身体を駆け抜ける。
「ユウキッ!」帰ったわけではなかったのね。彼はいかにもくつろいだ様子で書斎のドア枠にもたれ、立っている。だがその顔は、くつろいだ表情ではない。
勝利に輝いている。
それは、危険な輝きを放つオーラでわかった。
「簡単なことだ」ユウキはバサラにかわって答え、近づいてきた。「父上は、お嬢様と僕の結婚を望んでいるのさ」
蛇鬼であるミハルには相手を痺れさせる痲眼(まがん)の能力があるが、逆に人間であるユウキの目を見てミハルは少しの間は動けずにいた。
「お前の協力が必要なんだ」娘の質問には答えずに、バサラは言葉を続けた。「無茶な頼みだとわかっている」
「大丈夫よ」ミハルは請け負う様に手を握り返したが、不吉な予感を察して作り笑いもできなかった。「どうすればいいの?」
不意に黒い影が動き、ミハルはそちらに注意を奪われた。正体を察するや、攻撃的な警戒態勢を取ろうという衝動が身体を駆け抜ける。
「ユウキッ!」帰ったわけではなかったのね。彼はいかにもくつろいだ様子で書斎のドア枠にもたれ、立っている。だがその顔は、くつろいだ表情ではない。
勝利に輝いている。
それは、危険な輝きを放つオーラでわかった。
「簡単なことだ」ユウキはバサラにかわって答え、近づいてきた。「父上は、お嬢様と僕の結婚を望んでいるのさ」
蛇鬼であるミハルには相手を痺れさせる痲眼(まがん)の能力があるが、逆に人間であるユウキの目を見てミハルは少しの間は動けずにいた。