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僕の伴侶は蜷局を巻く
第9章 9
絶対にどうにかなってしまう、とユウキは思った。ほかに説明のしようがない。これほど神経を逆撫でする張本人に欲望をいだくとは。お嬢様といると、気が変になる。ころころと態度を変え、ようやくつかまえたと思ったら、また転がり出す。動きをコントロールするのは不可能だ。

だが、家を出る前のキス…。今回の事案がなければ、キスはけっしてあそこで終わっていない。お嬢様は、物事を難しくする。

ユウキが署内を進むと、顔見知りの警察官がデスクから立ち上がった。特別高等警察官の橘警部補である。「よう、少佐殿」
「…世話をかけて申し訳ないな。橘」

橘と呼ばれた背の高い男はうなずいて、侍らしい鋭いまなざしでユウキと対峙した。「残念ながら君の父上様(バサラ)は、またしても昔の悪事に手を染めた。いまは留置所にいる」
「父上め…」ユウキは腰の正宗を握りしめた。
「関係者からの聴取もある。全額を取り戻すまでやめない、と宣言していたらしい。もちろんタバコ(阿片)を吸いながらな」
「絶対にやめさせてやる。今度こそ!」

橘はうなずいた。「同感だな。自ら滅んでいく武士の姿はこれ以上見たくない」
「粛清してやる」
「…それは特高がやるから」
「ダメだ」ユウキは相手を制した。「僕は今では本当の息子だ。僕が自分で対処する。案内してくれ」


【タバコ】
本作では阿片で麻薬。阿片は犯罪であるがタバコとして吸えば隠蔽が可能。

タチバナ警部補
本作の警官も維新志士が占めるが、幕府側の非常に優秀な武士だった橘は特高に抜擢され、幕府残党狩りや強引な治安維持をさせられた。家族のために不本意ながら野党と化したかつての同志を取り締まる。外見は人間の鬼。かつてはクシャトリアでユウキの幼なじみ。
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