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僕の伴侶は蜷局を巻く
第9章 9
ユウキは低くうなり、ドアから手を離した。ドアはそのまま、音をたてて閉まった。
「たとえば、こういうことだ」
すくい上げるようにミハルを抱き寄せるなり、ユウキは唇を押し当てた。彼女はショックにこわばったが、やがて体は溶けはじめた。暗い情熱を秘めたなめらかな熱が口の中に広がり、感覚が麻痺するとともに、骨が溶けていく。ミハルは必死にしがみついた。ユウキが口を離せば、もはや立っていられない。二人は唇と吐息と舌を交わした。つのる思いと欲望の味がする。体の触れ合うすべての個所で、互いの脈が激しく打っている。互いの血が原始的に踊っている。
ようやくキスが終わり、ミハルは息遣いも荒く身体を引いた。
「ちっ」ユウキは彼女をまっすぐ立たせ、手を離した。「どうかしている…」彼は体の向きを変えて、出ていった。
外に出て車に乗りこんでもミハルの心臓音が、耳の中で響いていた。
僕はこのまま、どうにかなってしまうに違いない。武者震いをしながら町内の警察署に向かった。
警察署に着き受付の事務員は、ユウキの顔を見るなり手をぞんざいに『どうぞ』とかざした。
「たとえば、こういうことだ」
すくい上げるようにミハルを抱き寄せるなり、ユウキは唇を押し当てた。彼女はショックにこわばったが、やがて体は溶けはじめた。暗い情熱を秘めたなめらかな熱が口の中に広がり、感覚が麻痺するとともに、骨が溶けていく。ミハルは必死にしがみついた。ユウキが口を離せば、もはや立っていられない。二人は唇と吐息と舌を交わした。つのる思いと欲望の味がする。体の触れ合うすべての個所で、互いの脈が激しく打っている。互いの血が原始的に踊っている。
ようやくキスが終わり、ミハルは息遣いも荒く身体を引いた。
「ちっ」ユウキは彼女をまっすぐ立たせ、手を離した。「どうかしている…」彼は体の向きを変えて、出ていった。
外に出て車に乗りこんでもミハルの心臓音が、耳の中で響いていた。
僕はこのまま、どうにかなってしまうに違いない。武者震いをしながら町内の警察署に向かった。
警察署に着き受付の事務員は、ユウキの顔を見るなり手をぞんざいに『どうぞ』とかざした。