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half. ~Sweet blood~
第2章 同情と、優しさ…
「なぁ、雪斗言ったよな。条件つけてやるって、何したらいいんだよ。ただ此処に置くつもりじゃねーんだろ?」
「別になんにもしなくていいぜ」
俺はポカーンと口を開けた。
「そう言わなきゃ付いて来なかっただろ」
「あっそ」
「お前愛想わりーな」
誰かに優しくされる事なんて知らない。甘え方だって知らない。だからどんな顔して何を言ったらいいかなんて、分からなかった。
「面白いから置いてやるよ」
大きな手の平が頭を撫でた。
こんな時、どんな顔したらいいんだよ。
きっと俺を売れば高額が手に入るのに、わざわざ面倒みるって相当なお節介野郎なんだな。
「そーいえばルシアは血以外で何が好きなんだよ」
「特にない」
「じゃ、嫌いなものは」
「特にない」
「必要なものは」
「特にない」
何故そんな事を聞く?
俺は置いてもらうんだよな?
「あれか…同情ってやつ?」
「ちげーよ、普通の事聞いてんだろ俺は」
普通の事?
こういうの何て言うんだ…
あぁ、そうだこいつ、雪斗は
「お前、優しいんだな」
口元を緩ませ自然に出た笑み。
「ルシア笑えるんだな」
言われて気付く。俺今笑ってた。
初めてだ、こんな風に笑ったの。雪斗に会ってからだ初めてが増えていくのは。
「うるせーよ」
「ガキだな」
雪斗の笑った顔は、嫌いじゃ…ない…
気が…する…