この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
half. ~Sweet blood~
第2章 同情と、優しさ…
「おい、起きろ」
「まだ寝るんだよ」
無理矢理起こされた俺は渋々上体を起こし雪斗を睨みつけた。
「仕事行くんだよ、ルシアは家に居るのか?」
「あぁ、眠いしな」
「じゃ、これ持っとけ。何かあれば連絡しろ」
「おう」
雪斗は携帯を渡すと家を出て行く。テーブルには朝食が用意されていた。
身体をボキボキと鳴らしながら部屋を見て回る。
ベッドあるじゃん、ラッキー。
フカフカの布団に身体を埋めた。
そして、後悔する。
やばいって。
甘過ぎだろこの香り。
夜吸ったばっかなのに理性効かねーよ。
雪斗の寝ていたベッドは、部屋の香りとは比にならないくらい甘い香りがした。
やっぱり、ソファにしよ。
再度ソファに横になり瞼を閉じた。どれ位寝ていたかなんて分からない。ただこんなに満たされた気持ちでいるのは初めてだった。
「ルシア!いつまで寝てんだよ」
目を擦り時計を見れば時刻はすでに夜だ。
「あー、良く寝れた」
「寝過ぎだろお前」
「久しぶりに熟睡したんだ、怒るなよ」
「腹は?」
「何?血くれんの」
ニタァと笑うルシアの口には尖った先が見えた。
「はぁ?お前なぁ、普通に飯食えるんだろ?飯を食え、飯を」
額に手を置き困った顔の雪斗。
「冗談だよ」
歯をしまい、バカにしたように笑う。