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half. ~Sweet blood~
第15章 幸か、不幸か…
「何回目かんて覚えてないでしょ?毎晩のように身体重ねてさ…でも、毎回ユキチャンの中ではルシア君がいるんだよね」
「達希だってそうだろ…」
「否定はしないよ。ただお父さんはもう死んじゃってるから、叶わないよね。だから今はユキチャンを見てるつもり」
「俺は…」
「いいよ、言わなくて。気持ち分かるって言ってるでしょ」
小さな身体を丸めシーツに潜りこむ。
瞼が閉じた…
すこし拗ねた声色で呟く
「でもさ、ユキチャンにとって今は幸せじゃないんだよね…おやすみ」
こんな事言うつもりじゃなかったんだ…。分かってるくせに、傷つけるなんて最低だよね。でも…ユキチャンの辛い表情が消えるなら、流されてよ。ルシア君を忘れて…
俺は側にいるよ。
「同…情…?」
何も答えなかった。寝たふりをつづける…今口を開いたらまた傷つけちゃう…
ルシア君はもう昂のだよ。って…
「分かってる…今更だな…」
部屋の灯りは消されたのに、ユキチャンはベットには来なかった。きっとまた…お酒飲みながらソファで寝るつもり。
「俺は幸せなんだけどな…」