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half. ~Sweet blood~
第1章 サヨナラと、出会い…
さっきから気になってた、こいつの香り。すっげー甘ったるいんだよな、なんて言うか欲しくなるんだよ、血液が。
意識すればするほど歯が伸びる。
ふと、我に返り意識を散漫させ歯をしまう。
「今日からここに住めよ」
「主は?」
「俺だって、話し聞いてねーの?」
案内された場所は高級そうなマンション。
それも結構上の階だし。
「俺がhalfって分かって言ってんのかよ?」
「てめー、口のきき方悪ぃな。
家無いんだろ?俺が面倒みてやるって」
「はぁ、そう」
どうせ興味本意だな。
すぐ捨てられる。
ただ家があるのは有り難い話だ。
「入れよ、必要なもんは買ってやる」
男の家に入ると
甘ったるい香りが全身を包んだ。
やべっ、この香り。
あぁ駄目だ、抑さえれねー。
「どうした?」
ハァハァと息をする俺を不思議そうに見る。
肩に手を置かれ顔を覗けば
「歯!お前歯伸びてるぞ」
「っ、触んな!近よんな!」
「どうしたんだよ体調わりーのか?」
抑えようにも全身が甘ったるい香りに包まれ身体、いや、脳が支配されていく。血液を求めて…
街中歩いたって平気だったのに。
なんでこいつの香りに反応すんだよ。
そうhalfは好みの香りを纏った純人間の血液を欲すると歯が伸びる。そしてもう一つ、繁殖時期になると精力を付けようと血液を欲し同じように歯が伸びるのだ。
「聞いとくが全部は吸わねーんだろ?」
男は気づいたのか服を腕まくりすると
「試しに噛んでみろ」
そう言った。
もう無理だ我慢できねー。