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half. ~Sweet blood~
第6章 達希の、香り…



覇気のない声で雪斗は呟いた。

「達希、泣いてたんだ…」



「ユキ…?」



「涙の痕が残ってんだよ」



「分泌物は分かりやすいんだよ、体臭って前に雪斗は言ったけどな。俺たちは香水とか整髪料の事を言ってんじゃなくて…元々本人が纏ってる香りを嗅いでる。そいつが泣いてたかなんて俺は知らねーけど、ソレだけ一番まともに香りが残ってた」



振るえる手で書かれた手紙には、たくさんの平仮名でつづられた「たすけて」の文字。そして所々に残る水痕…

それは達希が流したいくつもの涙だった。





「ユキ…やっと達希を助けれる」


「あぁ、次は見捨てたりなんてしねー」




「あのさ、空気読めなくて悪いんだけど…この周辺からはその香りしねーよ」



沈黙が流れる。



「だから…何度も言うけど、お前の香りなら離れても分かんだけどよ?そのタツキ?ってやつの香りは特別甘い訳じゃねーしな。どっちかて言えば嫌いな香りだわ」



「は…?」



「だーかーらー、純人間ってあれだな、いちいち説明がいるんだな。気が合いそうな奴の雰囲気ってあるだろ?似たよーなもんだって、halfにも一応あるんだよそーゆーの」



雪斗や昂みたいに俺が好きな香りの奴は、悪い相手じゃない。鼻が効くって事はこういう事なんだよな…純人間って分かんねーのか?



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