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half. ~Sweet blood~
第9章 生き方と、別れ…
変えさしてしまってごめんなさい。
ご主人様は俺を閉じこめるようになった。海辺の家に引っ越し、執事以外との接触を絶つように命じた。俺は素直に従う…だってご主人様が言うんだから。ずっと俺を愛してくれるんだから。
窓にはシャッターをかけ、真っ暗な部屋で縛られご主人様の帰りを待つ。排泄手段は尿道に通されたカテーテル…食事は執事からもらい…ただただ、帰りを待つだけ。
もう、お父さんとは呼ばなくなった。
ご主人様は変わってしまった。
愛玩具で遊ぶだけとなっていく…
変えてしまったのは…
俺なんだ…
ご主人様にも俺しかいない…
そんな時、二人がきた。
俺は内心ではすごく嬉しかった。
忘れていた気持ちが蘇るんだ。
《知り合い》そう言った時の二人の表情を見た時、涙が出そうになった。でも、もう遅いんだ…俺にはご主人様以上に大切な人なんていないから。
きっと、俺を試したんだと思う。
本当に愛しているのか。
《ごめんね》
ユキちゃんを刺した時終わった気がした。
俺はご主人様を守らなきゃいけない。
こんな俺を愛してくれているんだから。
「達希、いい子だ」
ご主人様は俺を抱きしめ熱い口づけをした。
心の中で呟く「さよなら」
これで良かったんだと。
俺は生涯これ以上自分が自分でいられる場所なんて見つけられない。ご主人様と共に生きていく…それが俺の幸せなのだから…