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妄想短編集
第6章 痴漢男〜5章続編
映画館で、チケットを購入するため
明希と列に並んでいると、
周囲から声が沢山聞こえてくる。

『あの人カッコイイ。モデル
かなー?』

『ほんとカッコイイね。声かけたい。』

『あとで声かけてみようよ。』

いやいや…私がいるのに
なんて事を言うんだ。
全部筒抜けだから。
私は地獄耳…聞きたくない
声も全部拾ってしまう…
私はキュッと明希の腕に自分の
腕を絡める。

明希は慣れているのか
『どうかした?』
なんて言ってくるだけ。

もう明希をみるんじゃない…

だけど、私は気づいていなかったんだ
その女の人達の声のせいで。
いやらしく突き刺さる視線を…。



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