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好きと言って
第5章 人は忘れじ
「梨乃は俺を見るたびにハルトを思い出すよ。
俺も梨乃をハルトに『彼女だ』って紹介できない」
「・・・・」
「俺たちは付き合ってもうまくいかない」
涙が出るのは、許してほしい。
今まで頑張ったんだから
最後通牒の今だけ。泣いてもいいよね。
どう頑張っても好きとは言ってくれない人。
たった一言でいいのに・・・・
「レン先輩。ラーメンは好きですか?」
「は?」
「答えてください。ラーメンは好きですか?」
「・・・・・好きだよ」
「学食の漬物は――――好きですか?」
(私のことは――――)
「・・・・・好きだよ」
「アスパラは――――」
(私のことは――――)
「好きだよ・・・・」
「エビは――――」
(私のことは――――)
「好きだよ」
涙があふれて止まらない。
「シナチクは――――」
(私のことは――――)
「好きだよ」
「学食のA定食は――――」
(私のことは――――)
「好きだよ」
ゆらゆらと揺れる瞳の向こうで
苦しげに笑いながら
好きだよと連呼するレン先輩が見えた。
「好きだよ」
その一言が欲しかった。
俺も梨乃をハルトに『彼女だ』って紹介できない」
「・・・・」
「俺たちは付き合ってもうまくいかない」
涙が出るのは、許してほしい。
今まで頑張ったんだから
最後通牒の今だけ。泣いてもいいよね。
どう頑張っても好きとは言ってくれない人。
たった一言でいいのに・・・・
「レン先輩。ラーメンは好きですか?」
「は?」
「答えてください。ラーメンは好きですか?」
「・・・・・好きだよ」
「学食の漬物は――――好きですか?」
(私のことは――――)
「・・・・・好きだよ」
「アスパラは――――」
(私のことは――――)
「好きだよ・・・・」
「エビは――――」
(私のことは――――)
「好きだよ」
涙があふれて止まらない。
「シナチクは――――」
(私のことは――――)
「好きだよ」
「学食のA定食は――――」
(私のことは――――)
「好きだよ」
ゆらゆらと揺れる瞳の向こうで
苦しげに笑いながら
好きだよと連呼するレン先輩が見えた。
「好きだよ」
その一言が欲しかった。