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好きと言って
第5章 人は忘れじ
「梨乃。ごめんな」
ううん。
ううん!
大丈夫です。
そんな苦しい顔をしなくても私は大丈夫ですから・・・・
私、今レン先輩にもらった「好き」で頑張れるから。
「飛鳥川ふちは瀬になる世なりとも 思ひそめてん人は忘れじ」
「え?なんて言ったの?レン先輩。もう一度!」
「飛鳥川 ふちは瀬になる 世なりとも 思ひそめてん 人は忘れじ」
レン先輩は私に覚えさせるように、ゆっくりゆっくり歌を繰り返した。
「意味は?意味は?」
「それぐらい自分で調べろ」
「うん・・・・」
「元気でな」
「レン先輩も元気で。・・・・・大好き」
「・・・・ありがとう」
最後はごめんじゃなくて
ありがとうって言ってくれた。
もうそれで十分。
あなたは、いつか私じゃない人を愛していくんだろう。
私も、いつかあなたじゃない人を愛していくんだろう。
そして。。。ハルト先輩も私ではない誰かを愛していくんだろう。
レン先輩
今。
あなたは元気ですか?
飛鳥川ふちは瀬になる世なりとも 思ひそめてん人は忘れじ
――この世に何があったって、好きになった君のことは忘れないよ――
(古今集687)
END*****
ううん。
ううん!
大丈夫です。
そんな苦しい顔をしなくても私は大丈夫ですから・・・・
私、今レン先輩にもらった「好き」で頑張れるから。
「飛鳥川ふちは瀬になる世なりとも 思ひそめてん人は忘れじ」
「え?なんて言ったの?レン先輩。もう一度!」
「飛鳥川 ふちは瀬になる 世なりとも 思ひそめてん 人は忘れじ」
レン先輩は私に覚えさせるように、ゆっくりゆっくり歌を繰り返した。
「意味は?意味は?」
「それぐらい自分で調べろ」
「うん・・・・」
「元気でな」
「レン先輩も元気で。・・・・・大好き」
「・・・・ありがとう」
最後はごめんじゃなくて
ありがとうって言ってくれた。
もうそれで十分。
あなたは、いつか私じゃない人を愛していくんだろう。
私も、いつかあなたじゃない人を愛していくんだろう。
そして。。。ハルト先輩も私ではない誰かを愛していくんだろう。
レン先輩
今。
あなたは元気ですか?
飛鳥川ふちは瀬になる世なりとも 思ひそめてん人は忘れじ
――この世に何があったって、好きになった君のことは忘れないよ――
(古今集687)
END*****