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好きと言って
第2章 ふちは瀬になる
その話に入っていけない私とレン先輩は
さっきまでの冗談を言い合った雰囲気はどこかに消え
黙ってお互い食事を進めた。

「次に行く会社はどこ?」
「あ。ああ。次は明後日なんだけど・・・」
「ちょっとさ」

ハルト先輩と麻子さんの会話を断ち切るようにレン先輩が静かに言った。
「就活の話しかしないなら他に座ってくれない?
ここは俺らが先に座ってたんだけど」
「あ・・・悪い」

場の空気が悪くなって
結局4人ともろくに話をしないでご飯を食べる羽目になっちゃった。

「梨乃ちゃん?でいいのかしら?春人は優しいでしょう?」
「麻子!」

急に振られた言葉に
ズキンと心臓が痛い。

「あら。いいじゃない。春人。私は梨乃ちゃんと共通の話題があると思うの」
「麻子。いい加減にしろよ」

ハルト先輩が私の視界から麻子さんを遮るようにしてくれるけど
斜め前に座っている麻子さんは容赦なく私を見つめてくる。

耐えきれなくなって
急いでテーブルから離れる・・・しかできない。

「梨乃。まだ残ってるぞ。ちゃんと食ってけ」

麻子さんの言葉なんか耳に入らないかのように
いつもの声でレン先輩が言うけど

「あ・・あ。ッ、次の講義遠い教室だったの。
先に行くね。じゃぁまた。ハルト先輩。レン先輩。麻子さん」

「もう行っちゃうの?またね。梨乃ちゃん」

妖しげに笑う口紅が怖かった。
ハルト先輩が「麻子」と呼ぶのをこれ以上聞きたくなかった。

私は、その場から逃げた。


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