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おこごと
第2章 桃鼠
朝起きると、隼人は猛烈な吐き気に襲われた。
なるべく胃を揺らさないよう這うようにしてトイレに向かう。屈み込んで胃の中のものを全て出すと、今度は頭痛が襲ってきた。

(最悪だ…。)
昨夜、隼人は家に帰ると、浴びるように酒を飲んだ。こんなに飲んだのは大学卒業以来だろうか。社会人になってからは、羽目を外すような事はすっかりなくなっていた。

隼人は昨日、彼女と些細な事で喧嘩し、別れた。彼女曰く「いつも本当に余計な事ばかり言う」隼人とは、これ以上一緒にいれないらしい。隼人は結婚を考えていたが、どうやら彼女は違ったようだ。
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