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おこごと
第2章 桃鼠
しかし、こんなに酒を飲んだのは、振られたから―、ではない。
車に乗り込んできた女の事が、頭から離れなかったからだ。
オヤジ待ちをしている女達の行動には、一種の共通点がある。あの女もそうだ。普段なら、そんな女に、用はない。バカがバカを鴨にしている。そう思うだけだ。
が、あの女。
アーモンド型の瞳は、黄色い街灯の光の中、澄んでいた。
車に乗り込んで来た時の、泣きそうな顔。そして抱き締めた時の綿菓子のような香り。
(あいつ、ちゃんと帰れたかな。
また男に会ってないだろうな。)
ベッドに寝転んでみたが、あの女の事ばかり考えてしまう。頭痛も治まりそうにない。
(薬、買いに行くか)
冷たい水を飲むと、隼人は胃や頭を刺激しないよう、シズシズと着替え、家を出た。
車に乗り込んできた女の事が、頭から離れなかったからだ。
オヤジ待ちをしている女達の行動には、一種の共通点がある。あの女もそうだ。普段なら、そんな女に、用はない。バカがバカを鴨にしている。そう思うだけだ。
が、あの女。
アーモンド型の瞳は、黄色い街灯の光の中、澄んでいた。
車に乗り込んで来た時の、泣きそうな顔。そして抱き締めた時の綿菓子のような香り。
(あいつ、ちゃんと帰れたかな。
また男に会ってないだろうな。)
ベッドに寝転んでみたが、あの女の事ばかり考えてしまう。頭痛も治まりそうにない。
(薬、買いに行くか)
冷たい水を飲むと、隼人は胃や頭を刺激しないよう、シズシズと着替え、家を出た。