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おこごと
第2章 桃鼠
チンッ
と1階に着いた事を知らせる音がした瞬間、杏里が隼人をチラリと振り返った。
不安げな表情。
(ヤバい。)
隼人は、杏里の手を勢い良く掴むと、指を絡める。

「えっっ!?」
と、戸惑う杏里に構わず、隼人は杏里を抱えるようにしてエレベーターを降りると、そのまま手を引っ張り、走り出した。
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