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おこごと
第2章 桃鼠
後ろで、オヤジが何か言った。

けれども、隼人の耳は、杏里の声しか捉える事が出来ない。

「ちょっと、やだっ」
「いいから。ちょっと来い!!」
眉を八の字にし、頬を桜色に染めた杏里を引っ張りながらエントランスを抜け、隼人は走り続けた。
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