この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
可愛いヒモの育て方。
第5章 熱
麻人の熱が下がり、本来なら喜ぶべきところなのはわかっているのだけれど。
心配していた分、こうもあっさり平熱に戻られると、なんだか気が抜けてしまう。
私は麻人にコップを手渡した。喉は渇いていたらしく、いっきに全部飲み干した。私も自分の分を飲み干し、ぷはぁと息を吐いた。
「……友梨香さん飲み方おっさんみたいです」
「うっさい。喉渇いてたの!」
私は麻人の持つコップを取り上げ、私のと一緒にテーブルに置いた。
「友梨香さん」
名前を呼ばれ振り返る。
「いろいろ……、すみませんでした。あとありがとうございました」
「何? そんなあらたまって」
「いや、熱出して迷惑かけちゃったし……」
麻人にしては珍しく、しおらしい。
「そうね。いきなり熱出されるし、帰ってきたらインフル並みに上がってるし、そんな状態で襲ってくるし、終わったら終わったでベッドに拘束されて動けないし、散々な一日だったわ」
「……わーお。お疲れ様です」
「他人ごとみたいに言うな」
「でも俺、拘束とかしてなくないすか?」