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可愛いヒモの育て方。
第5章 熱
麻人が首を傾げてそう聞いてくる。
「してたの! 私に抱きついたまま眠っちゃったから、私動けなかったし」
「そんなの、俺の腕を無理やりほどいて出れば良かったじゃないっすか」
「だって……」
起こすのも可哀想だと思って、と言いたかったけど、それも私のエゴだし、なんだか恩着せがましく聞こえそうで嫌だった。
押し黙ると、察してくれたらしい。
「友梨香さんて、変なとこ気を遣いますよね。おっさんみたいなのに」
「うるせー。つかおっさん関係ない」
麻人が、ベッド脇に立つ私を見上げて笑う。久々に見る上目遣い。このアングルは、可愛いなと思う。
そんな姿を見ていてふと思いついた。
「ねえ、今回迷惑かけられたことは綺麗さっぱり水に流してあげるからさ、一個だけ、私の質問に答えてくれない?」
「質問?」
私はベッドに浅く腰かけ、麻人にぐっと顔を寄せた。
「……なんすか?」
私が真顔になると、麻人も真顔になった。神妙な面もちで、私はさっきから気になって仕方がなかったことを尋ねた。
「麻人ってさ、普段どんなAV観て抜くの? エロ動画とか、本でもいいけど。性癖は?」
「…………は?」