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可愛いヒモの育て方。
第6章 いざ、温泉旅行へ!
「顔キモ……」
「今私は機嫌がいいから、何言われても許しちゃう」
「……そーですか」
麻人は私を置いて、さっさと歩き出してしまう。
「待ってよ!」
私は慌てて追いかけ、隣に並んだ。
「並んで歩かないでください。他人のフリしたいんで」
「なんで!?」
「テンションが鬱陶しいのと、顔がキモいから」
「……そ、それはさすがに、へこむんですけど」
何そのダブルパンチ。確かに、何言っても許しちゃうとは言ったけどもっ。
麻人はいじめっ子みたいな顔で、笑っていた。まあ、こういう笑い方をする時は冗談だってわかってるから、へこんだのも嘘だけど。
私たちは車に乗り込み、パーキングを出た。
「ナビによると、あと一時間くらいで着きますよ」
「はーい。よし、喉も潤したし、妄想の続き語るか!」
「だからそれ勘弁してくださいって!」
車は軽快に、高速を進んでいく。
社内に流れるのは、麻人が好きだと言う、ロック調の曲たち。
私は胸を踊らせながら、麻人とのやりとりを楽しんでいた。