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可愛いヒモの育て方。
第6章 いざ、温泉旅行へ!
そう言って、彼女は通話を切る。変なの。
携帯を見つめ、首をかしげていると、ふいに頬に、温かくて固い何かが押しつけられた。
「お……!」
びっくりして飛び上がりそうになった。
振り向くとそこには麻人がいて、ペットボトルのお茶を持っていた。どうやら頬に押しつけられたのはこれらしい。
「電話終わったんすか? 喉渇いてたんなら、ジュースくらい選んでから電話しに行ってくださいよ。わかんないからお茶にしちゃった」
「あー……、ごめんごめん。お茶でいいよーありがとう」
ペットボトルを受け取る。そういえば、ジュースが飲みたくてパーキングに寄ってもらったんだった。
「あとこれ」
麻人はもう一つ、私に何かを差し出してきた。
見ると、さっき見つけて可愛いと騒いだご当地キャラ、『うまもん』のストラップだ。
「買ってくれたの?」
「ついでだし」
「あ、お金……」
「別にいいっすよ。ストラップくらい」
「わーありがとう!」
つい感激して、テンションが上がる。私はストラップを受け取り、ついにまにまと見つめてしまった。