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可愛いヒモの育て方。
第11章 依存
それ以上語ろうともせず、沈黙が流れた。どう切り出したらいいかわからず、私は思い切って、直球で尋ねた。
「……もしかして、お母さんとそういう関係なの?」
「そういうって?」
「血が繋がってなくて、か、体の……? とか」
「……さすが、普段妄想してるだけあって、小説のネタになりそうな禁断ものがすぐ出てきますね。だけど残念。ちゃんと血も繋がってるし、そーいう関係でもないっす」
「……ごめん」
「いや」
あ、と思って謝ると、麻人はそれを軽く笑い飛ばした。
そして、私のコーヒーカップを奪い取り、口をつけた。カップに視線を落としたまま、語り始める。
「俺の母親、すげー父親にべったりな人だったんすよ」
「べったり?」
「はい。いつも一緒にいたがる感じの。父親が単身赴任で家にいないって話はしたことありますっけ?」
「うん、月に何回かしか帰ってこないんでしょ?」
「はい。最近は忙しいらしくて、月一くらいですけど」
そんな話を、麻人が熱を出す前の晩に聞いたような気がする。
「父親が単身赴任になったのは、三年くらい前からなんすけど」