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可愛いヒモの育て方。
第12章 来客
ここまで周到に準備されたら、断るわけにもいかない。お酒自体は好きなんだけど、どうせ飲むなら時間がある時に、がっつり飲みたかった。チューハイじゃ酔えないし、もっと強いお酒が欲しくなってしまうから。
「彩乃は明日休み?」
「うん。だから泊めてね」
「はいはい」
酒を持参してくる時点で、そのつもりなのは覚悟してたけれど。
彩乃は酒と一緒にスナック菓子を取り出して、テーブルに並べた。
「つまみまで、ありがとね。あ、さきイカあるけど食べる?」
「うん、食べたい」
私はキッチンに向かった。確か、前に買って食べなかったやつがあったはず。戸棚の奥からさきイカを見つけ、部屋に持っていった。
缶を開け、二人で乾杯する。ようやく一息ついた感じだ。
「――で? 今日はなんの用なわけ? またマサル関連?」
「ううん、今日はなんでも。本当に、ただ友梨香と酒飲みたかっただけ。あと、この間温泉旅行のお土産貰ったでしょ? あたしも友達と旅行に行ってきたの。その土産を渡したくて」
「……本当にそれだけ?」
「ええ、本当にそれだけ」