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可愛いヒモの育て方。
第2章 ポスティング、参戦!
風呂上がりの麻人が、タオルで髪を拭きながらやってきた。
忘れてた、もう一人。
「ねえ、午後暇でしょ? バイト出て」
「え、だって改装中でしょ? 営業できるんすか? てか制服家だし」
「違う違う、ポスティングしなきゃなんだよ、店長とマネージャーと、私と、橋口さんと、これから。人手が足りないんさ。暇だろ、私んち来てるくらいだし」
「まあ……予定ないけど。ポスティングって何するんすか?」
そういえば、その説明を一切していなかったと思い出す。
「チラシ配りだよ、簡単に言うと。手渡しじゃなくて、ポストに入れてまわるからポスティング。住宅街とかマンションのポストに、割引券のついたチラシをひたすら入れてまわればいいの」
「うわー面倒くさい」
「人数いればすぐ終わるよ。あ、私服で平気だから」
そのチラシの枚数は五千枚。単純に振り分けても一人千枚。いやいやすぐ終わるわけねーだろ、そもそもあの辺そんなに家あるのかよ、というセルフツッコミを脳内でいれたけど、口には出さないでおいた。
せっかく捕まえた、麻人に逃げられても困る。