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可愛いヒモの育て方。
第3章 秘密のご褒美
麻人、誘えば行くかな。今思うと、彼とそういう関係になってかれこれ半年近く経つけれど、一緒に出かけたことはあまりない。私の部屋か、ご飯を食べに出るか、私の買い物に付き合わせたことが何回かあったくらいで。
「麻人の浴衣姿、ちょっと見てみたいかも」
つい口に出してつぶやいてしまう。温泉といえば、浴衣のイメージだ。
邪な妄想がいろいろと浮かぶ。これはチャンス。ちょうどパソコンを開いているのもあって、私は書きかけの小説を開いた。
小さい頃から空想が好きで、書くことが好きだった。昔から飽き性で、何を始めても長続きした試しはなかったけれど、読むことと書くことは不思議と飽きない。遠ざかることはあっても、またすぐに戻りたくなった。
年を重ねて、ジャンルはだいぶ変わったけれど、趣味として続けているのが官能小説を書くことだった。二ヶ月前に麻人が偶然見つけてしまったものも、幾つも書いたうちの一つだった。
ちょうど官能場面に差しかかっているものがあったから、それを開く。今の気分なら、進められる気がする。