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可愛いヒモの育て方。
第3章 秘密のご褒美
その言葉に、体が強張る。麻人は怯える私の姿を視界に捉えながら、しばらく笑っていた。
それから立ち上がり、部屋を出ていってしまう。水道の音が聞こえた。そして、すぐに戻ってきた麻人は、手に麦茶の入ったコップを持っていた。
渡されるまま半分ほど飲み干し、ふう、と一息つくと、ようやく気持ちが落ち着き思考が現実へと戻ってくる。
そうなると、今度は悔しさがこみ上げてきた。
「ああ……今回は惨敗だー!」
「いつも思うけど、一人で一体なんの勝負してんすか? セックスで勝敗決めるとか聞いたことない」
麻人が呆れたように言う。
それはわかってるんだけども。
「私はいつも、セックスする時は主導権を握っていたいの。私が上がいい」
「はいはい、また今度ねー」
まるで子供をあやすように、頭を撫でられる。
「次は覚えてろよ」
「はいはい」
軽く流される感じが、むかつく。
私は麻人を無視し、脱ぎ散らかした服と着替えを持った。
「風呂、一緒に入ります?」
「やだ!」
からかうようにそう言ってくる麻人の言葉をぴしゃりと跳ねつけて、浴室へと向かった。