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可愛いヒモの育て方。
第3章 秘密のご褒美
「……これ、もしかして友梨香さんの願望っすか?」
「え?」
部屋に戻るなり、麻人にそう問いかけられる。
なんのことだかわからず首を傾げたあと、麻人がパソコンの前に座っているのに気付き、はっとした。
そういえば、小説書いててパソコン付けっぱなしだった。
「何勝手に読んでんの!」
椅子に座る麻人を押しのけ、急いでワードを閉じる。
「何するんすか。いいとこだったのにー」
「お子ちゃにはまだ早い」
「……お子ちゃまって誰だよ」
「いいから、あんたも早く風呂入ってきなよ」
「はーい」
麻人はおとなしく、浴室へと向かっていった。
私はその間に小説を整理し、シーツを取り替え、部屋をざっと片付けた。
私は片付けが苦手だ。就職して実家を出てから、足の踏み場もないような部屋にいつも住んでいたけれど、最近はわりとマシに『女性の部屋』っぽくなっている。それもこれも、麻人がうちに来るたびに、片付けていってくれるからだ。最近その頻度も高いから、そもそも散らかることがなくなった。
それはそれで助かるけども、やっぱりこっちとしては、こんなに泊まりにきてて大丈夫なのか気になってしまう。