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可愛いヒモの育て方。
第4章 ○○のオモチャ屋さん
彩乃は私の愚痴を頬杖をついて聞いていた。ふいに、言う。
「へー、あさとくん……、だっけ? 可愛い顔してんでしょ? ちょっと見てみたいなぁ」
「私の店に来ればいいじゃん。食べにさ。彼もバイトしてるから」
「行きたいけど、遠いわ」
彩乃の家は隣の県で、私が住んでるアパートからだいぶ離れている。車の往来がほとんどない夜中でさえ、多分二時間弱かかる。地元は私と同じ二つ隣の県だったけれど、仕事を始めて隣の県に引っ越したらしい。その仕事というのも、かなり特殊なもので、私と同じサービス業なのもあってなかなか時間が合わない。
今日みたいに、遊ぶのも久しぶりだった。
「その子、頻繁に泊まりに来たりしてるんでしょう? それで付き合ってはいないのね」
「なんか来るね、最近よく。でもそういう感じでもない」
「変なの」
彩乃は私より、ずっと健全な異性交遊をしてきてるはずだ。そんな彼女からしたら、頻繁に部屋に泊まりに来て、セックスをしているのに恋人でもないというねは理解できないのかもしれない。
「喩えるならさぁ」
私は烏龍茶で喉を湿して切り出した。