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可愛いヒモの育て方。
第5章 熱
「食パンがあるから、それ食べて薬飲んどきなよ。なんも作ったり買ってきてる時間ないからさ」
救急箱から、風邪薬を出しテーブルにおいた。
「……ありがとうございます」
「いい? 私が帰るまでおとなしくしてるんだよ? 逃げんなよ」
「セリフが誘拐犯みたいです」
私は鞄を持って、急いで部屋を出ようとした。
「友梨香さん、前! ボタン開けすぎ、ブラ見えるって!」
「おお」
慌ててボタンをはめ、襟を整える。
「ありがと! じゃあね!」
そのままアパートを飛び出し、車に乗り込み店へと向かった。
職場に行くと、ちょうど昼間のパートのおばさん達も出勤していた。店長も来る。
部長が来るということで、みんな緊張した面もちだった。
朝の立ち上げは、まず掃除から始まる。それから商品の陳列やら何やらそれぞれの作業に移る。
部長は掃除を終えた頃に来た。店長と私を呼び、店中を見渡し、幾つかの項目をチェックしていく。
私は麻人が心配だったのもあり、何事もなく偵察が終わり、部長がさっさと帰っていってくれることを願った。