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かわいい狼くん
第1章 新しい家族
2人が席につくとすぐに映画が始まった



男の子と映画なんて行った事がない心…
弟と言っても血のつながらない彰斗が横にいるとなんだか緊張してしまう



チラッと横を見ると
映画を真剣に観ている横顔…



横顔もほんと綺麗だな〜なんて思いながら
彰斗を見ているとバチッと目があった


心はハッとまた映画を観る



「クス、どぉしたの…?」


耳元で小声で言われ、心はなんでもない!と首を横に振る


しばらくして彰斗の手が心の手に重なる…


え///


そのまま無言で映画を観続ける彰斗



き、気づいてないのかな///
今手どけちゃうと気不味いよね…



心は触れ合っている手が気になり
映画どころではなかった


映画が終わり、彰斗は重ねていた手をどけて言う



「あれ?ココどぉしたのー?
顔が真っ赤だよ?」


『へ?!あっ、ドキドキする話だったからかなー///』


「そうだよねー!
僕最後のあのシーンでグッときちゃったよ〜」


『そ、そうだよねー!』


心はなんとか誤魔化したつもりでいた

弟の手にドキドキしてたなんて言えないよー!///



彰斗は目を細めてクスっと笑う


「そろそろ帰ろっか!」


そして彰斗が手を差し出す

え…?


「ほら、ココ!人がいっぱいだから手持ってなよー!」



恥ずかしい…けど///
確かに人がたくさんいてはぐれちゃいそう…



『う、うん!ありがとぉ〜///』



彰斗は嬉しそうに心の手を握り
家に向かって歩き出した…


そんな2人の様子を遠くから見ていた先程の人物…


「っ…んだよ、あいつ…」


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