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かわいい狼くん
第12章 囚われたうさぎちゃん
静まり帰った廊下をしばらく歩いた2人…
前を歩いていた彰斗の足が止まる…
『あき…とく…』
振り返る彰斗の表情は
ひどく歪んでいた…
そしてすぐ力いっぱい心を抱き締めた
『彰斗…くん…』
「心、ごめん。
守ってやれなくて…ごめん…」
心は涙を溜め、フルフルと首を振る
『私が悪いの…
あんな…こと…なる、なんて…ひっく』
「俺が気付いてあげられなかった…
怖かったろ?
ごめんね…もう大丈夫だから…」
抱き締めながら頭を撫でられ
心は安心感で声をあげて泣いた…
彰斗は泣き止むまで何も言わず
ずっと頭を撫でてくれていた
落ち着いた頃
彰斗を見上げると優しく微笑み…
チュッ…と唇が触れた
「帰ろう…」
『うん…』
そして2人は手を繋いで帰っていった…