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かわいい狼くん
第16章 幼い記憶


「彰斗、遅いよ。置いてくよ?」


「アル!待ってよー!」





いつも公園で遊ぶ2人は、
今日は少し離れた公園へと向かっていた


「アルのお家、わからなくなっちゃうよ…」


海外に住む彰斗は、
絢香の仕事で日本に来てはアルの家に泊まっている


初めて通る道に不安を感じ
今にも泣きそうな顔でアルの服を掴む


「大丈夫だよ。
僕この道知ってるから。」


まだ5歳だがアルは同年代の子よりも
はるかにしっかり者だ


一方同い年の彰斗は背も小さく
普段から泣いてばかりいた




「泣いてばっかいたら
誰も遊んでくれないよ?」


「泣いてないっ…!」



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