この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
かわいい狼くん
第9章 迫る想い
彰斗とのデートから3日が過ぎた頃
心は昼休みに沙羅と柊と話していた
なんだか見られてる気がする…
周りを見渡すが
見ている人なんていない…
気のせいかな…?
「心?どうしたの?」
『あ、ううん…なんでもない』
ここの所ずっと視線を感じる…
でも見ている人なんて誰もいないし…
心はこの何日か、たまに感じる視線に
悩んでいた…
だが気のせいだと思うようにし、
誰にも言っていなかった
放課後、靴を取ろうとすると
紙がはさまっていた…
『ん?なんだろー?』
あけてみると、心は口元を押さえて
固まった…
「心?なにそれ…
げっ!なんなのこれ」
紙には
"愛する心へ
君は誰にも渡さない"
と書かれてあった…
「気持ち悪い…誰から?」
『わ…からない…』
すると後から来た柊も
心の様子がおかしいことに気付いた
紙を見て考え込む沙羅と柊…
「心、思い当たる奴いないのか?」
『う、うん…』
「心配すんな。何かあったらすぐ言えよ?」
『柊くん…沙羅ちゃん…ありがと…』
今にも泣き出しそうな心の頭を
ポンポンと撫でる柊
心は彰斗に心配かけたくないからと
2人に口止めをして
3人は中庭へと向かった…
柊はその紙をグシャっと丸め
ゴミ箱に投げ入れた
その様子を見ていた人影…
「あ~ぁ、せっかく書いたのに…」
可愛い心…
君は誰にも渡さない…
ぼそりと呟くとニヤリと笑った…