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うちの執事は完璧です
第8章 戦いが始まった。
「翔に普通のメールがどんなのか聞こうと思ったのにな……。」


自室の扉を閉め、ボソッと呟いた。

まさか、あんなことを知ることになるとは思わなかった。


「そこまでしてうちに仕えてくれてるのね……。本当にすごいなぁ。翔。」


何事も卒なくこなす執事の翔が当たり前で、一般人としての翔のことを考えたことがなかった。

翔が今、仕事をしているということはやはり学生時代があったわけで、その頃の友人もいるはずで。

そんな当たり前のはずのことを今の今まで微塵も考えたことがなかった。


「翔は大したことないって言ってたけど、本当に大したことないのかなぁ。友人と遊びたいとか思ったりしないのかなぁ。」


私が1人で考えても何も分からないことは分かっている。それでも、しばらくの間その考えを止めることは出来なかった。

ふと、自分の足元を見て、扉の前にずっと立っていたことに気づいた。

そして、時計を見て、8:30になろうとしていることに気づいた。
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