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羽のある生物・羽の無い女
第9章 継承
女の子だった。すぐ判った。
まだ器官も無い。つるりとしたカラダで、枝を登っていた。

暗い寒い世界で、透き通って
ほんのり輝いていた。

わたしは、胸が熱くなって、また飛んだ。
曲がって木にぶつかって、そこから歩いた。

そばに寄ると、女の子はふるふる震えていた。

大丈夫だよ。

わたしは女の子をかかえて、もう少し上まで
よじ登った。

カラダの波は、ほとんど残っていない。
でも、やりたい。

丁度よい高さまで登って、女の子を眠らせた。
わたしのおなか辺りから、クリーム色の香りが出て、女の子を包み込んだ。

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