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羽のある生物・羽の無い女
第9章 継承
すべて産みきれたら、どっと疲れた。
ああ、やったなと思った。

『黄金色のやつ』に種をもらった時より、疲れたかも。
でも嬉しかった。

それに、まだやりたい事があるんだ。
急がなくちゃいけない。

わたしはその場から、上のほうを見渡した。
子供を捜したいんだ。

見つからない。
でも、必ず近くに居るはずなんだ。

地面を歩き回っていると、危ない。
カラダは、卵を産んだからすごく軽く感じる。

シュッと羽を振るわせた。
やはりカラダがぐらついて、僅かしか進めない。
羽の一部が取れてしまってから、調子が悪い。

少し飛んで、ぺたんと降りて、また少し飛んだ。
そうやって繰り返して、子供を捜した。

誰かが産んだ卵が、育っているはずだ。
地面の下で眠って、食べて、生き残っているはずだ。

大きくなると地面から出てきて、枝の香りに誘われて、登ってくるんだ。

必ず居るはずだから、わたしはずっと捜していた。
飛んで、落ちて、飛んだ。
そして、見つけた。

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