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羽のある生物・羽の無い女
第2章 夢幻の底辺にて
私はこの世界の事を、何も知らない。
築5年の家に、1人で住んでいる。

テレビを見ている。何だか知らないけど、3時間スペシャルらしい。
昨日も、その前の日も、似たような番組だった。
ただ目を開けて、眺めている。

絨毯をこすったら、髪の毛が指に絡まった。
掃除機は、ある。使っていない。
宣伝してたから買った。邪魔だ。

夫に、掃除機の音がうるさいと怒鳴られたことを思い出す。
疲れてるんだから、休日くらい静かにしろと。

今、夫は刑務所にいる。自分の子供を殺したから、そのせいみたいだ。
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