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~散花~
第7章 名器
ん――…
吐息と共に玲利が倒れこんだ。額に腕をのせ、呼吸を整えている。汗ばんだ胸元が色っぽい。
「どう? 要領はわかったかしら」
「は……」
はい、と頷きかけて玉蘭は言葉を呑みこんだ。
指はまだ玲利の中にある。
(なんて気持ちいいんだろう…)
「あ…あの、よくわからなかったので、もう一度…」
玲利の眉がむぅっと吊りあがる。けれどすぐに玉蘭の真意を察して、やさしく苦笑した。
「まったくもう、この子は…」
指で玉蘭の頬をつまむ。
「あなたにも、きっとできるわ。私は信じてる」
「――はい」
玉蘭は力強く頷いた。
7章 完