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~散花~
第8章 摩羅
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「そう……ということは、そろそろ来るわね…」
意味ありげに、一人うなずいている。物問いたげな玉蘭の視線に気づいて、
「皇太后の“ご検分”よ」
「ご検分…?」
「帝のご生母でもある皇太后が自ら、お妃候補の娘たちを抜き打ちでお調べになるの。
皇太后の所見は、選女の試しに進めるか否かを決定するほど絶大よ。
そのご検分に向けて、女官長はあらかじめ娘の数をしぼるの。
1ヶ月間のお妃教育を通して見込みなしとみなされた者は、女官長の一存で采女に内定してしまうというわけよ。ご検分も試しも受けさせてもらえずにね。
その内定が覆ることは、ほとんどないわ」
ほんの些細な粗相が命取りになりそうだ、と玉蘭は思った。
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