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~散花~
第9章  枕絵

「本日もご検分は行われなかったよしにございます」

呂栢の報告に、玉蘭と玲利は胸を撫で下ろした。

「この五日間、なんとか乗りきったわね。玉蘭はほんとに運がいいわ」

「ありがとうございます」


本当に、この五日間はヒヤヒヤした。玉蘭が月の穢れに入ってしまったのだ。

穢れの間の五日間、女人は立ち歩くことが許されず、曹司に籠っていなければならない。

それが宮廷のしきたりのため、梨香殿での講義を欠席しても咎められることはない。

しかし、もし欠席中に“皇太后のご検分”が実施されてしまえば、万事休す。今までの努力が水の泡になるところだった。

明日から、玉蘭は再び講義に出席できる。

心底ほっとして寝台に腰をおろすと、玉蘭は枕元に置いてある草紙を手にとった。


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