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~散花~
第10章 ご検分
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「皇太后さま、重ね重ねの御運び勿体のうございます」
女官長が迎え出て深々と頭を垂れた。
「ほかでもない、愛しい帝の妃を選ぶのじゃ。労は厭わぬ」
「おそれいります」
「ところで、まだ揃わぬ者がおるようだが?」
空の寝椅子が10台ほどあるのを訝しむ。
「はい。直前に粗相がございましたゆえ、采女の勤めを与え廟堂に遣わしました」
「それはよい」
皇太后が柳眉を上げた。
「采女が多ければ多いほど、帝のご威光は増すというものじゃ。亡き先帝には500人の采女がお供つかまつった」
「仰せの通りにございます」
「では検分を始めよう」
等間隔に並べられた寝椅子の間へ、皇太后は歩を進めた。
御付きの一団も、ぞろぞろと後に続いた。
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