この作品は18歳未満閲覧禁止です
![](/image/skin/separater16.gif)
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
~散花~
第10章 ご検分
![](/image/mobi/1px_nocolor.gif)
「おや、皆も見てみよ。このおなご、こんなにも濡れておる」
皇太后が愉快に笑った。それに呼応して、御付きの者たちもクスクス笑い合う。
玉蘭は鼻をすすって唇を噛んだ。
「ずいぶん感じやすいおなごよのう。どれ、太監。例のものを、このおなごにも使ってみよう」
「承知いたしました」
太監は、背後の若い内官から蒔絵の箱を受け取った。
蓋を開ける。
中から出てきたものを見て、
「あ……」
玉蘭は小さく呟いていた。
それは、松風殿でいつも使っているのに似た張り形だった。
![](/image/skin/separater16.gif)
![](/image/skin/separater16.gif)