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~散花~
第10章 ご検分
おほほほほ……
皇太后の高笑いが遠ざかっていく。玉蘭を取り囲んでいた一団が動き始めた。
(やっと…終わった…)
ほっと息をついた。
股間は、まだ張り形を咥えているかのような錯覚を感じていた。
じんじんと痛む。
ぴりぴりと痺れる。
(とうぶん歩けそうにないわ…)
ぐったりとして脚を投げ出し額に腕を載せる。
何気なく右隣の寝椅子を見やった。
仰向けの乙女が恨みがましく玉蘭を睨んでいる。
(え…どうして…?)
嫉妬だった。
皇太后に一瞥されただけで通過されてしまった乙女が、その直前まで随分長いこと“ご検分”を受けていた玉蘭に嫉妬していたのだ。
しかし玉蘭には気づくよしもなかった。