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~散花~
第16章 疑惑
玉蘭は狼狽していた。なぜ女官長がこれほど猛り狂っているのかわからない。
「女官長さま…わたしに何か粗相がございましたでしょうか」
「粗相だと!? こともあろうに皇太后さまのご寝所へ忍びこんでおいて、よくもまあそのように澄ました顔ができるものです!!」
「えっ……!?」
耳を疑った。何が何やらさっぱりわからない。けれど、ひどく恐ろしい嫌疑をかけられているらしいということは悟り、玉蘭は青ざめた。
「あの…わたし…いったい何のことか…」
「しらを切るつもりか。では、これはいったい何だというのです!」
女官長が玉蘭の顔の前に小さな袋を突き出した。