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~散花~
第2章 決意
「玉蘭…いったいどういうことなの」
母親がうろたえて問う。
妹や弟たちまで、心配そうに部屋から出てきた。
「わたし…わたしね、家族の助けになりたくて、お勤めに出ることをずっと考えていたの。それは本当。でも…こんなにいきなりとは思わなくて…」
「またとないような素晴らしいお話なの!! これを逃したら、二度と好機に恵まれぬやもしれないくらいよ?」
と、美女が割って入る。
玉蘭が逡巡しているのを察して、母が遠慮がちに口をはさんだ。
「とてもありがたいお話のようですが、娘もこのように取り乱しておりますし…。今回のお話はご遠慮申し上げたいと存じます…」